記事の一覧へ

シフト管理は労働生産性向上の最強ツール

最終更新日:2021年5月21日
オーエムネットワーク株式会社
レイバースケジュール

シフト管理は何のためにあるか?それは明らかに「店舗で働く人を活かす」為にあると言えます。その結果として店舗の生産性が向上し、店舗オペレーションが改善することになります。では、店舗で働く人を活かすシフト管理とはどうあるべきでしょうか?当コラムではその本質に迫りたいと思います。

経営資源としてのヒト・モノ・カネの捉え方

リソース

あらゆる企業において、「ヒト・モノ・カネが重要だ」ということは、誰もが認める経営における基本中の基本です。しかし、今まで多くの企業が重要視してきたのは、カネ>モノ>ヒトの順番ではないでしょうか?
すなわち、ヒトの位置付けは、カネやモノの位置付けよりも重要視されてこなかった様に思います。

また、情報システムの分野を見ると、

  • カネにまつわる「経理・給与・販売管理システム」
  • モノにまつわる「生産・在庫管理システム」
  • ヒトにまつわる「人事・労務管理システム」

がありますが、同じく、ヒトに関する情報システムは、カネやモノに関する情報システムよりも重要視されてこなかった様に思います。

また、「人を活かす経営」というテーマで、人を重視する経営を志向している企業も多いと思いますが、実務面では必ずしもテーマ通りに実践されていない企業も多いのではないでしょうか?

特に、小売業、サービス業の店舗で働く従業員に対する人事・労務管理面では、多くの課題が内在していると思います。
中でも、シフト管理面での課題は大きく、シフト管理が各店舗に任せ切りになっているケースが非常に多く見受けられます。これからの小売業、サービス業では、シフト管理面の改善が早急に求められていると言えます。

今のままのシフト管理では問題が多い?

「今のままのシフト管理で昨今の企業ニーズを満たせるか?」と言うと、答えは明らかにノーです。なぜなら、店舗運営の現場における人手不足は深刻で、希望する能力に見合ったヒトを自由に確保できることを前提とした今までのシフト管理では今や効果なし!と言わざるを得ません。

逆に、働く人のニーズを無視した一方的なシフト管理では、働く人のモチベーションは低下してしまいます。その結果として、店舗の労働生産性は低下し、店舗経営に大きな影響を及ぼすことになります。

下記の図は高齢者の増加と労働人口の減少を示したものですが、これを見ると人手不足は一時的なものではなく、構造的な問題であることがよく分かります。
人手不足が構造的な問題である以上、今までのシフト管理の仕組みや情報システムでは根本的な問題解決にはならないと言うことです。

グラフ「我が国の高齢化の推移と将来推計」

高齢化の推移のグラフ

(出典: 内閣府 令和元年版高齢社会白書「我が国の高齢化の推移と将来推計」より

新型コロナ禍の影響で、一時的には小売業、サービス業の人手不足は少し和らいだ様に思われるかも知れませんが、中長期的には労働人口の減少には変わりはなく、人手不足は継続していくものと言えます。

根本的な問題解決の為には何が必要か?

商品が売れるか否かは需給バランスで決まりますから、モノ余りの時代では一生懸命消費者のことを考え、消費者が喜ぶことを提案します。
同様に、ヒト不足の時代には働く人のことを考え、働く人が喜ぶ仕組みを構築する必要があります。

しかし、企業は利益を上げなければなりませんから、ただ働く人が喜ぶだけでは駄目で、イキイキ働いてもらいながら労働生産性もアップさせられなければなりません。実際問題としては、そこが非常に難しい点です。

会社からは「労働生産性を上げろ!」とは指示されますが、それ以上の具体的な指示はなく、会社と従業員との間で、店舗管理者の人は日々苦労されているのではないでしょうか?

では、具体的にどの様な取り組みを行えば、働く人のモチベーションが上がり、結果として労働生産性がアップするのでしょうか?
一言で言うと、働く人が楽しいと思える様に仕事を与えることになります。「人は気持ち良く働いているときに一番生産性が上がる」と言われています。

その様な状況を作り出す為には、

  • 「店内の清掃が行き届いていて気持ちが良い」と客から褒められた
  • 「商品が綺麗に陳列されている」と店長から褒められた
  • 商品の発注数が上手く当たり、売上に貢献できた
  • 作業が時間内に終わり、気持ち良く定時に退社できた
  • シフトの変更依頼が少なく、自分の予定が立てられた

などがあります。
これらは、仕事が計画的であり、かつ求められる結果も明確になっている状態を表しています。

逆に、「人が嫌だと感じること」としては、

  • やるべき作業が決まってなく、ただ上司の指示で働かされる
  • どこまでが終わりなのか、よくわからないまま作業をさせられる
  • 急な残業依頼や出勤依頼で、自分の予定が狂ってしまう
  • 一生懸命やってもやらなくても、他の人と評価が同じだ
  • 自分以外の人が何をやっているのか、よくわからない

などがあります。
これらは、上記とは逆に、仕事に計画性が無く、かつ求める結果も曖昧である状態を表しています。

問題解決のイメージ

レイバー・スケジューリング・プログラムの話

話は20年以上前に遡りますが、米国流「レイバー・スケジューリング・プログラム」(一般的にはLSPと言われていますが)という考え方が日本に紹介されました。

当時、企業の関心は結構多くありましたが、広く普及するところまでは行きませんでした。筆者が在籍していた日本ユニシスでもLSPシステムを開発し、積極的に普及に努めましたが、残念ながら広く行き渡らせることはできませんでした。

当時は、若干理論が先行し過ぎていて、店舗作業を細かく分類・計測して必要時間を算出しなければならないと考えられていました。しかし、実際の店舗作業では柔軟性が求められ、机上で計算した作業時間では上手く機能しないばかりか、店舗で働く人や管理する人たちへ混乱を与えてしまいました。

もう一つの側面は、コンピュータ機器やソフトウェアの課題がありました。当時のコンピュータ機器やソフトウェアは、スピード面と機能面で現在より遥かに劣っており、多くのコンピュータ資源を必要とするLSPシステムにはかなり力不足でした。

その様な訳で、当時は広く普及しなかったのですが、あれから20年以上が経過し、再度新たなブームが来るのではないかと考えています。働く人の満足と企業の求める労働生産性の両方を追及するのに、LSPが万能だとは言いませんが、極めて有効な手法であることは間違いありません。

ただ、LSPを導入するには注意すべき点があり、これを無視して机上論だけで進めると現場は機能しません。また、情報システムありきでも現場は機能しません。その辺のところは、他のコラムで詳しく述べていますので、そちらもご覧ください。

まとめ

小売業、サービス業の店舗における「シフト管理」は、人を活かし労働生産性を向上させる為の最強のマネージメントツールです。我が国における高齢者の増加と労働人口の減少は構造的な問題であり、今後とも進展していくことがはっきりしています。

人手不足が構造的な問題である以上、従来型のシフト管理や情報システムでは、根本的な問題解決にはならないと言えます。「限られた人員でも最大限の効果を発揮したい!」と願っている経営者および店舗管理者の方には、是非参考にして頂きたいと思っています。

レイバースケジューリングの本質

レイバースケジューリングの本質

レイバースケジュールの目的や活用方法について紹介します。小売業・サービス業の店舗におけるシフトの組み方のコツなど、シフト管理やシフト作成に関するノウハウはこちらから。

ワークスケジュールと作業割当表の関係

ワークスケジュールと作業割当表の関係

ワークスケジュールの概要や求められる要件について紹介します。小売業・サービス業の店舗におけるシフトの組み方のコツなど、シフト管理やシフト作成に関するノウハウはこちらから。

多店舗展開におけるマンアワー管理

多店舗展開におけるマンアワー管理

多店舗展開におけるマンアワー管理のポイントについて紹介します。小売業・サービス業の店舗におけるシフトの組み方のコツなど、シフト管理やシフト作成に関するノウハウはこちらから。

<当コラムに対するお問い合わせ先>
オーエムネットワーク株式会社
RSサービス推進室
新潟県新潟市中央区上大川前通9番町1265番地
TEL:025-210-9933(受付時間:平日10時~17時、土日祝日は除く)