コラム

2025.07.01

シフト管理とは?シフト管理の目的・方法・効率化のコツ|有名企業の事例も紹介

システム

シフト管理

シフト管理とは

多くの企業や店舗で欠かせない「シフト管理」。
特に小売業やサービス業では、業務効率やサービス品質、従業員満足度に大きな影響を与えます。
近年では、紙やエクセルだけに頼らず、専門のシステムを導入する企業も増えてきました。

この記事では、シフト管理の基本的な定義から、具体的な方法、効率化のコツ、さらには有名企業の導入事例まで幅広く解説します。
シフト管理を見直したい方や、現場の負担を減らしたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.そもそも「シフト管理」の定義とは?

「シフト管理」と聞くと、多くの方は勤務表の作成を思い浮かべるかもしれません。
しかし実際には、誰が・いつ・どのような業務に従事するかを最適に調整する重要なプロセスです。
働き方や業務内容の柔軟な調整が求められ、現場の効率やコストに影響を与えます。
まずは、シフト管理の基本的な定義や、その重要性について整理してみましょう。

(1)シフト管理の守備範囲は非常に広い

シフト管理は単に勤務表を作成する作業ではありません。
実際には、従業員の勤務時間・休憩・休日・スキルや役割のバランスなど、さまざまな要素を考慮する必要があります。
「誰がいつ働くか」だけでなく、「この業務は誰が対応できるか」「急な欠勤にどう対応するか」といった点もシフト管理です。
現場の運営全体に関わる「人の配置」に関する意思決定はすべてシフト管理に含まれます。
その守備範囲は非常に広いといえるでしょう。

(2)シフト管理の良し悪しはコスト削減にも関わる!

適切なシフト管理は、人件費を最適化し、無駄なコストを抑える上でも重要です。
必要以上の人員を配置すればコストが膨らみ、逆に不足すればサービスの質が落ちて売上にも悪影響が出る可能性があります。
ピーク時に十分な人員が配置されていないと、顧客対応に時間がかかり、機会損失にもつながるでしょう。
業務効率と人件費の両立を目指すうえで、シフト管理の精度は経営に直結する要素だといえます。

2.一般的なシフト管理の方法は大きく2つ

一般的なシフト管理システムの方法とは

企業や店舗によってシフト管理方法はさまざまです。
多くの現場では、コストを抑えられるエクセルを活用した手法が根強い一方で、近年ではシフト作成を効率化できるシステムの導入も進んでいます。
どの方法にもメリットとデメリットがあるため、自社の状況にあった運用方法を見極めることが大切です。
ここでは、代表的なシフト管理の手法を2つご紹介します。

(1)エクセルでシフト表を作って管理

シフト管理を何でおこなうか、パッと思い浮かぶのは「エクセルのシフト表」ではないでしょうか。
エクセルを使ったシフト管理では、以下のことが可能です。

  • 日付、曜日、時間などの入力を効率化できる
  • 関数を使えば出勤日数や労働時間も算出できる
  • エクセルさえあれば無料でシフトが作成できる
  • シフト表のテンプレートも利用できる

「シフト表の作成」だけがゴールならば、上記で十分かもしれません。
しかし、表を作るだけでは終わらないのがシフト管理の難しいところです。
実際にシフトを組むにあたって、さまざまな問題も出てきます。

  • 従業員の希望を平等に叶えるのが難しい
  • 社内の細かいルールを反映しづらい(店長と副店長どちらも不在にはならないように、など)
  • 発注日に発注業務ができる人を割り当てることが難しい
  • 労働基準法のルールに則った勤務予定の作成が難しい
  • 新人とベテランの勤務をセットで入れるのが難しい


こういった問題は、エクセル上で自動で解決されるものではないため、シフト作成者の悩みの種になっています。

【関連記事】シフト管理におけるExcelのメリット・デメリットとは?活用の注意点も紹介

(2)シフト管理システムを利用

近年、シフト作成やシフト管理に役立つWebアプリやWebツールが多く登場しています。
Web系のシフト管理システムを使う場合には以下の流れが一般的です。

  • ①従業員が各自スマホ用アプリで希望シフトを提出
  • ②シフト管理システム上で希望を自動収集し、シフト表に自動反映
  • ③シフト表が自動的に作成される
  • ④不足が生じた時間帯について、追加募集をアプリで通知
  • ⑤確定したシフト表を各従業員のスマホに配信


費用はかかるものの、従業員がアプリで希望シフトを提出できたり、システム上で自動的にシフト作成ができたりと、手間が無くなるのは大きなメリットです。
また、社内ルールの適用、労働基準法に適した休憩時間の設定なども自動で可能です。

【関連記事】シフト管理システムの最新トレンド3選!便利な機能も紹介

3.シフト管理の基本的な手順とは?作成のコツも解説

シフト管理システムの基本的な手順とコツ

シフト表の作成は、単に勤務時間を埋めるだけの作業ではありません。
現場で求められる業務の内容や量に応じて、必要な人員をバランスよく配置することが重要です。
さ従業員の希望や公平性をふまえながら、仕事の割り当てまで丁寧に設計する必要があります。
シフト作成の基本的な流れと、効率的に進めるポイントを整理しました。

  • 必要な業務や作業量(作業時間)を洗い出す
  • 従業員からシフトの希望を取る
  • 勤務シフト表の作成
  • 仕事内容の割り当て

以下、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

【関連記事】<プロが解説>シフト管理の基本とは?目的・方法・コツを伝授

(1)必要な業務や作業量(作業時間)を洗い出す

「必要な業務を確実に実施するために必要な従業員を集めること」がシフト管理の原点です。
「その日出勤できるメンバーに合わせて仕事を割り当てる」のではなく、

  • いつ(日時、曜日、週次、月次など)
  • どんな作業に(仕事内容)
  • どれだけのリソースが必要か(人数・かかる時間・スキル)

これらの情報を先に整理することが大切です。
業務内容や作業量はその日によって異なります。
平日と土日で忙しさが違えば、現場で必要な人数も違うもの。
「発注日」「棚卸し日」など、決まった日に行なう作業があれば「その作業ができる人」に出勤してもらう必要があります。

【シフト管理のコツ①】
「いる人ベース」でなく「必要な業務ベース」でシフトを組む

(2)従業員からシフトの希望を取る

いつ・どんな作業に・どれだけのリソースが必要かを整理したら、従業員から希望の休日や希望勤務日を提出してもらいます。
テスト期間、子どもの行事といった、どうしても休みたい日は当月だけでなく次月以降の分も確認しておきたいところです。

「学生なので夜の方がシフトの融通が効く」
「主婦なので平日午前中から働ける」
「平日休みでも土日休みでもこだわらない」
など、それぞれの働きやすい時間帯やワークスタイルを把握しておくとスムーズです。

【シフト管理のコツ②】
雇用契約書で曜日ごとに働く時間や条件を明確にし、その範囲で希望を出してもらう。
ワークスタイルにある程度契約を絡めることで、人員の調整がスムーズに。

(3)勤務シフト表の作成

従業員から集めた希望シフトをもとに、内容をシフト表に転記します。
その上で人数の過不足を調整し、予定している業務を確実におこなえるようにします。
同時に、自社のルールや従業員同士の公平感も考慮しなければいけません。

「店長と副店長は同時に休まない」
「開店閉店時には鍵所有者がいるように」
「発注日には必ず発注できる人を出勤させる」
「新人しかいない時間帯を作らない」
「特定の人に負担が大きくならないように」など、注意すべき点はいくつもあります。
シフト表を作り終わったら、注意点をまとめてチェックし、問題なければ完成です。

【シフト管理のコツ③】
社内のルールや現場の公平感を意識してシフト表を作成する

(4)仕事内容の割り当て

勤務するメンバーが決まったら、「誰がどの仕事をするか」の割り当てをおこないます。
割り当てる際のポイントは以下の通りです。

  • 当日の業務のうち優先順位の高いものから従業員に割り当てる
  • その日に必須の業務の場合、応援に入ってくれる人を確保する
  • 従業員のスキルを考慮する

割り当てを考える際は「いる人」を基準にするのでなく「業務の優先順位」を基準にします。
上記ポイント以外にも、
「適任者に仕事を割り当てる」
「休憩時間の調整」
「平等になるよう過去の割り当て状況も考慮」
「関連性の高い作業同士は同じ人に割り当て」
といったことを加味しつつ、割り当てていきましょう。

【シフト管理のコツ④】
仕事の割り当ては「従業員のスキル」と「業務の優先順位」を基準に!

4.シフト管理システムを利用する具体的なメリットとは?

シフト管理システムアールシフトプレビュー

シフト作成における悩みや負担は、現場を預かる管理者にとって大きな課題です。
希望の調整、コストの最適化、公平性の担保など、シフト表1つを作るにも多くの判断が求められます。
こうした問題を解決する手段として注目されているのが、シフト管理システムの導入です。
シフト管理システムを利用するメリットは大きく3つあります。

  • シフト作成者の負担軽減
  • ムリ・ムダ・ムラを減らしコスト削減
  • 従業員のモチベーションアップ

それぞれについて以下にまとめました。

(1)シフト作成者の負担軽減

シフト管理システムの導入により、作成者が抱える負担は大きく減少します。
従業員の希望やスキル、休憩のタイミングなど、多くの要素を考慮しながらシフトを組む作業は、非常に手間と時間がかかるものです。
しかし、優れたシステムであれば、こうした条件をもとに自動でバランスの取れたシフト表を作成できます。
手動調整にかけていた時間や労力を大幅に削減できるため、他の業務に集中しやすくなるでしょう。

(2)ムリ・ムダ・ムラを減らしコスト削減

シフトの最適化は、店舗運営におけるコスト削減にも直結します。
人手が多すぎる時間帯や逆に不足している時間帯があると、作業効率が落ちるだけでなく、人件費も無駄になりがちです。
シフト管理システムでは、日別・時間帯別の必要人員を「人時(マンアワー)」で可視化できるため、過不足のない配置が実現可能です。
結果として、ムリ・ムダ・ムラを減らし、運営コストを抑える効果が期待できます。

(3)従業員のモチベーションアップ

公平でスピーディなシフト作成は、従業員の働く意欲にも大きく影響します。
希望が通らない、いつまでもシフトが出ないといった状況が続くと、現場には不満が溜まりやすくなります。
シフト管理システムを活用すれば、希望を平等に反映したうえで迅速にシフト表を作成でき、スタッフにとっても安心感が得られます。
ルールに基づいた運用がされているという信頼が生まれ、モチベーション向上につながるでしょう。

5.シフト管理システムの導入事例

シフト管理システムを利用した場合のメリットがわかったところで、「既に導入している企業の声」や「自社に導入する場合の進め方」も気になるかと思います。
弊社が提供するシフト管理システム「アールシフト」のお客さま事例を一部ご紹介します。
なお、詳しい事例インタビューは以下のページからご覧いただけますので、是非参考にしてください。

アールシフト導入企業の事例インタビュー

(1)株式会社ロフト様のシフト管理システム導入事例

全国に新たな流行を発信する生活雑貨店「Loft」でおなじみの株式会社ロフト様。
2018年3月から全国の店舗にアールシフトを展開し、現在も全店で稼働しています。
アールシフト導入後、各店舗で自動作成されたシフトを、本社スタッフが自席から確認できるように。
「シフトの見える化」を大きく前進することができました。

「従来、各店舗からExcelファイルを提出してもらって集計していた頃と比べると、まったく違う世界を眺めているようです。」と担当者様は語っています。
「シフトの見える化」が進んだ結果、1店舗のシフト状況だけではなく、各店舗の状況を互いに比較することで、より効率的なシフトの組み方が見えるようになったとのことでした。

(2)株式会社ラウンドワン様のシフト管理システム導入事例

日本全国に店舗を構えるスポーツエンターテインメント企業、株式会社ラウンドワン様。
多様なカスタマイズが可能なシフト管理システムを検討する中で、アールシフトをお選びいただきました。
2018年3月より全面的に稼働、アルバイト一人ひとりの経験・スキルが活かせるシフトの自動作成を実現しています。
それまではエクセル表を使ってシフト表を手作業で作成しており、その負荷は相当なもの。
シフト作成業務の効率化が大きな課題となっていました。
アールシフト導入の際には、基本機能だけでなく「アルバイトの経験やスキルなどから自動的に点数化できる機能」「希望する勤務日数や1日の希望時間を考慮して選定する機能」などを搭載。
複雑なシフトも自動で作成できるようになりました。

(3)株式会社成城石井様のシフト管理システム導入事例

高品質な食品と多彩な商品展開で知られる成城石井様。
店舗数拡大とともにシフト管理の複雑化が進み、業務効率の低下が課題となっていました。
他社の事例を参考にアールシフトに注目し、パイロット店舗での検証を経て、2019年8月から全店舗に導入。
現在はレジ部門にとどまらず、商品部やレストラン部門にも活用範囲が拡大しています。
操作性の高さと「見える化」「情報の一元管理」により、店舗と本部の連携が強化。
独自の労働生産性の考え方も反映できる柔軟性のあるシステムとして、業務負担の軽減と働き方改革に貢献しています。

(4)コーナン商事株式会社様のシフト管理システム導入事例

地域密着型のホームセンター「コーナン」を展開するコーナン商事様。
シフト作成に月平均31時間を要するなど、負担が大きい状況でした。
2024年初めからの検証を経て、同年6月にアールシフトの全国展開を実施。
スマホでの希望申請や自動作成機能により、シフト作成時間の50%削減を実現した店舗も。
AIチャットなどのサポート機能も活用し、スムーズに現場へ浸透しました。
今後は人員配置の最適化や就業システムとの連携など、さらなる効率化が進む予定です。

6.シフト管理システムを導入する流れとは

シフト管理システム導入の流れ

シフト管理システムを円滑に導入・定着させるには、単にツールを導入するだけでは不十分です。
社内体制の整備や情報の収集、現場での実証を通じて、自社に最適な形に整えるプロセスが必要になります。
特に多店舗展開している企業では、各店舗の実態に合わせた準備と段階的な導入が成功の鍵です。
以下、流れに沿って詳しく見ていきましょう。

(1)社内体制の構築

シフト管理システム導入を進めるにあたり、本部、情報システム部門、モデル店舗が参画するプロジェクトを発足する必要があります。
ほんぶシフト管理システムの業務要件のとりまとめ、店舗への教育、経営層への状況報告を担当。
情報システム部門はシフト管理システムと基幹システムとの連携、会社のセキュリティポリシーにマッチした管理システムかどうかの検証を行ないます。
モデル店舗はシステム検証段階から参画し、全店舗導入後も他店舗からの相談に乗る立場として重要な役割を担います。

(2)シフト管理に関する社内情報の収集

シフト管理システムは複数店舗を対象とするため、マスターの善し悪しがシフトの精度に影響します。シフト表自動作成にあたって重要な情報となるため、以下の項目について整理しておきましょう。

  • 会社情報(従業員の雇用区分)
  • 店舗情報(各店舗の営業時間帯、部門構成)
  • 労基情報(所定労働日数/所定労働時間/休憩付与基準)
  • 従業員情報(従業員ごとの勤務曜日・時間帯・スキルレベル)
  • 作業情報(店舗作業の分類/作業ごとの所要時間、実施曜日)

(3)店舗で検証・カスタマイズ

導入後のミスマッチを防ぐため、まずは検証店舗でシステムを稼働。
自社のシフト管理とシステムとのギャップを明確にします。
把握したギャップを埋めるため、必要に応じて自社向けのカスタマイズを行ないます。
その後、検証店舗で最終確認をおこない、問題なければ全店へ展開するのが一般的な流れです。
企業のシフト管理システム導入について、さらに詳しくまとめた記事もあります。

【関連記事】 シフト管理システムを導入しよう!最新機能・注意点・選定のポイント

小売業・サービス業のシフト管理システム「アールシフト」

(1)小売業・サービス業の導入店舗数2万店超

アールシフトは、小売業やサービス業のシフト管理に特化したシステムです。
おかげさまで2020年〜2025年と6年連続で「登録ID数1,000以上の小売業」における導入数No.1(※東京商工リサーチ調べ)となりました。
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導入企業の事例インタビューはこちら

(2)柔軟にカスタマイズ可能

選ばれる理由の一つが、カスタマイズの柔軟性です。
シフト管理においては企業ごとに設けている独自ルールや細かな要望があるかと思います。
アールシフトなら800を超える標準機能から独自にオーダーメイドが可能です。
「店内レジと屋外レジの違いを考慮して割り当てたい(ホームセンター向け)」
「薬剤師と登録販売者を確実にシフトに入れたい(ドラッグストア向け)」
といった業種特有のシフト管理方法も、標準機能で既に搭載されています。

標準機能だけでは対応しきれない個別カスタマイズにももちろん対応。
お客さまの企業特性を理解した上で、設定のチューニングを行ないます。

(3)シフト管理+人時生産性向上を同時に実現

アールシフトではレイバースケジューリング理論(LSP)や統計分析手法、AI手法などを全面採用。
仕事と人をMH(人時)で把握し、ムリ・ムダ・ムラの最も少ない効率的なシフトを実現しました。
誰が使用してもスピーディに高精度なシフト表が作成できるよう、当社独自の最適化手法を備えています。

(4)直感的に操作できる現場志向のシステム

高精度なシステムでありながら、直感的な操作でシフトが自動作成できるよう、インターフェースにも徹底的にこだわりました。
基本操作はマウスだけでOK。
公休と有休の色分け表示や、白黒印刷したときの見やすさなど、現場の方々が求める機能を実装しています。
システム自体の素早いレスポンスも好評です。

アールシフトでは、シフト管理システム導入を検討中の企業様向け体験利用プランや、メイン機能の使い勝手がわかるデモ動画を用意しています。
シフト管理方法について見直しを考えているご担当者さま、ぜひお気軽にお問い合わせください!

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