
パートやバイトのシフト管理は必ずしも上手く行われていないのが実態ではないでしょうか?当コラムではパートやバイトのシフト管理を効率的に進めるためのポイントをご紹介しています。
シフト管理は必要だと分かっている人は多いと思いますが、シフト管理の本当の目的や内容、又は進め方やコツを正しく理解している人は、そう多くはないのではないでしょうか? シフト管理は守備範囲が非常に広く、かつ店舗マネージメントにおいては必要不可欠なものです。当コラムでは、シフト管理の本質に迫り、正しくシフト管理を理解して頂こうと考えています。
-目次-
シフト管理は、先を読み、効率的な計画を立てるための管理手法であるといえます。具体的には、勤務シフト表や作業割当表という日常的に使用するものを利用して業務改善を行うという意味で、極めて実践的ですし、現場でも受け入れやすいものです。
簡単にいえば、「勤務シフト表や作業割当表を使ってシフト管理を行い、LSPを実践する」ということになります。
(LSP:Labor Scheduling Programの略)
それでは、勤務シフト表や作業割当表を使ったシフト管理について、具体的にみていきましょう。
昔から、段取り8分の仕事2分(段取りで8割の労力を割き、残り2割を実際の仕事に振り向ける)という表現がありますが、それだけ段取りが重要で、段取りの良し悪しが結果に大きく影響を与えるということを表しています。
店舗もまさしくその通りです。特に労働集約型の典型である店舗では、段取りの良し悪しが営業成績に直結するということは間違いないでしょう。
店舗運営面では、特にシフト管理の良し悪しが作業効率や売場のでき栄えに影響を与え、結果的に営業成績にも影響を与えるということになります。ですからシフト管理を正しく理解し、正しく進めることが非常に重要になってくるわけです。
シフト管理は、その内容から以下のように定義できます。
「店舗作業について、いつ・誰が・どのように行うかを定義し、それらを具体的に従業員に割り当て、仕事のムリ・ムラ・ムダを把握しながら業務を改善する一連の管理」
すなわち、マネージメントサイクルの「Plan-Do-See」を、店舗の作業という切り口で以下のように実践することを意味しています。
Plan:店舗作業を、いつ、誰が、どのように行うかを定義し、
Do :それらを具体的に従業員に割り当て、
See :仕事のムリ・ムラ・ムダを把握しながら業務を改善する。
ですから、シフト管理を実践するということは、極めて合理的なことであり、各店舗に任せていた管理を、全社統一した形で実践するための大変有効な手段であるといえます。
シフト管理と聞くと、どちらかといえば、狭い範囲で捉えている人が多いのではないでしょうか?
一番多いのは、「シフト管理」=「従業員の勤務シフト管理」という捉え方です。ですから、勤務シフト表を作成することがシフト管理だと思っている人が多いと思います。
しかし、シフト管理は、それよりも遥かに奥が深いものですし、管理するのが難しい分野に入るものです。従来の管理手法は、過去のデータを元に分析し、そこから課題を見つけ出し、それを改善に結び付けようとするものでした。
もちろん、シフト管理も同じ機能を有していますが、さらにもう一つ大切な機能を有しています。それが「先を計画する機能」です。この「先を計画する機能」が、シフト管理を最も特徴づけるものとなっています。
次月の勤務シフト表や作業割当表を作成するということは、必ずしも過去からの延長だけではなく、これから先を見据えて最善の計画を立てることになります。例えば、次月に従業員の大幅な異動があれば、今までの前提条件を見直して、ムリ・ムラ・ムダのないシフト計画をしなければなりません。
しかし、残念ながら、そのような認識がまだまだ浸透していないのが現状です。これは極めてもったいない話といえます。シフト管理を、先を見通すために有効な管理ツールであるという認識を、是非、持ってもらいたいと思います。そうすることで、シフト管理を正しく理解し、より有効に活用できるようになります。
シフト管理を実践する上での「方法」で重要な点は、以下の4つの機能を実践することです。
①作業計画 ・・・店舗で必要となる作業を洗い出し、いつ、どれだけの作業量が発生するかを計画すること
②シフト計画・・・従業員に対して、いつ、どの時間帯に勤務してもらうかを計画すること
③割当計画 ・・・出勤する従業員に対して、何を、いつ、どれだけやってもらうかを計画すること
④MH管理 ・・・それぞれの計画がどのように実践されたかを管理し、課題を洗い出すこと
この4つがシフト管理で求められる重要な機能となります。では、それぞれの機能に対して、どう実践すれば良いか?その「コツ」をご説明します。
作業計画では、店舗で行うべき作業を、主に以下の項目に従って定義します。
これらの情報を管理することにより、店舗で必要となる作業量、すなわち必要MHが時間帯別、日別、月別に算出できるようになります。また、次に続く、「②シフト計画」、「③割当計画」、「④MH管理」の基礎情報になります。
LSPの教科書では、各作業に対してストップウォッチを使って作業時間を計測し、一定のスキルがある人をベースとして標準作業時間(RE値)を決めますが、この方法は小売業・サービス業の現場ではかなり負荷が大きいといえます。
なぜなら、すべての作業に対して正確に時間を計測するとなると膨大な作業が発生すること、また一定のスキルを持った人が誰なのかということが決め難い、というような課題があるからです。
ですから作業計画においては、LSPの考え方は参考にしつつ、大きな目標である「生産性の向上」という視点から、最初はある程度ラフな時間設定でも十分だといえます。
シフト計画とは、①の「作業計画」で定義した作業を、確実に実施できるように、必要な従業員を投入する計画のことをいいます。実務的には、いわゆる「勤務シフト表」と呼ばれるものを作成することになります。
通常、シフト計画の手順は以下のようになります。
いかがでしょうか? 手順としては上記のようになっているはずです。しかしながら、実はシフト作成者は、それ以上のことを頭の中で考えながら、勤務シフト表を作成しているといえます。
例えば、以下のようなことです。
このように、実に多くのことを考慮しながら、非常に多くの時間を割いて、シフト作成者は、勤務シフト表を作成しています。ところが、それでも従業員からの不平不満はなくなりません。シフト作成者の苦労は相当なものであることが想像できます。このような問題を解決する手段として、シフト管理システムがあるわけです。
割当計画とは、①の「作業計画」で定義した業務を、②の「シフト計画」において出勤を指示した従業員に対して、やるべき作業として、どのようなものを割り当てるかを計画することを意味します。
割当計画の手順としては、だいだい、以下のようになります。
いかがでしょう? 割当計画の手順は、このようになるはずです。ただ、これも勤務シフト表と同様、実はそれ以上に、様々なことをシフト作成者は頭の中で考えながら、作業割当表を作成させています。
シフト作成者が考えていることには、以下のようなことがあります。
このように、実に多くのことを考慮しながら、担当者は作業割当表を作成します。かつ、1カ月分の作業割当表を作成する必要がありますから、勤務シフト表の作成以上に多くの時間を割いて作業割当表を作成しているのです。ですから、手作業で精度の高い作業割当表を作成することは、不可能に近いといえます。
そこで、やはりシフト管理システムが必要になってくるわけです。
MH(マンアワー)管理とは、各店舗で計画された「勤務シフト計画」および「作業割当計画」を基に、どこに・どのような、ムリ・ムラ・ムダがあるかを把握する為のものです。
MHは、先にも述べたように、必要MH、投入MH、過不足MHと3つの指標があります。それらの指標を時間軸で見る場合は、「年間MH」「月別MH」「週別MH」「日別MH」「時間帯別MH」という捉え方をします。
また、組織軸で見る場合は、「全社MH」「エリア別MH」「店舗別MH」「部門別MH」という捉え方があります。
このように極めてシンプルなものですが、管理上の応用範囲は大変広いものがあります。個々の店舗における管理で使用できるのは当然ですが、多店舗展開をしている小売業・サービス業においては、全店舗を横串で見ることができるため、本社側から見ても大変有効な管理ツールとなります。
これに準ずる資料を作成している企業も多いかと思いますが、MH管理との違いは、「必要MH」と「過不足MH」を把握しているか否かです。現状は、結果としての投入MHだけを集計しているケースが多く、どこに、ムリ・ムラ・ムダがあるのかが判断できないものとなっています。
過不足MHを把握してこそ初めて、ムリ・ムラ・ムダがある具体的な時間帯や曜日などがわかってくるのです。その意味において、MH管理は、極めて有効な手段であることを重ねて理解してください。
今回のコラムでは、シフト管理の目的や内容、およびシフト管理の方法やコツをお伝えしました。店舗のマネージメントに対して、シフト管理は極めて強力なツールです。この強力なツールの本質を理解することで、店舗の業務改善が進み、労働生産性の向上にも結び付くものと考えています。
オーエムネットワーク社の店舗向けシフト管理システム「アールシフト」は、シフト管理を推進する上で極めて有効に機能するシステムです。店舗のマネージメントサイクルに則った各種機能を提供していますので、店舗の課題解決に必ずや役立つものと確信しています。
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