
シフト管理を実践する上でのエクセルのメリットとデメリットを明確にすると同時に、エクセルを効果的に活用する方法もご紹介します。
小売業やサービス業の店舗では、店長や管理者、そして多くの従業員が勤務しています。また、日々行う作業も実に多種多様なものがあります。従って、シフト管理を実践する上では、やはり何らかのシステム的なツールが必要になってきます。
今まではエクセルを使用したシフト管理が多くを占めていましたが、最近では、シフト管理専用のソフトウェア(以下、ソフトと言います)がクラウド型で提供されています。当コラムでは、エクセルに代わるクラウド型シフト管理ソフトの機能や特徴について述べたいと思います。
-目次-
毎月の勤務シフト表作成は、店舗管理者の最も重要な仕事の一つになっています。しかし、希望シフトの収集から勤務シフト表の完成まで、必要期間として2~3週間程、必要時間としては20~40時間程が毎月必要になります(注:店舗規模により必要時間は異なりますので、あくまでも参考数値となります)。
この様に、店舗のシフト作成者は勤務シフト表や作業割当表の作成に多くの時間を費やしているため、シフト表を自動で作成するソフトが求められています。勿論、全てを自動化することは現実的には難しく、何らかの手修正は必ず発生しますが、それでも従来のやり方から比べたら、非常に大きな効果を発揮するシフト管理ソフトであることは確かだと思います。
昨今の小売業、サービス業を取り巻く経営環境に鑑み、経営者としては、何としても労働生産性をアップさせて、収益の向上に結び付けたいと考えているのではないでしょうか?
そこで、ムダな作業を極力削減して、その空いた分だけ人員の投入を少なくする、または作業が無いのに無駄な人員を投入しない、という両面からのアプローチが必要になります。しかし、何が無駄な作業で、何が無駄な人員かが良く分からないのが現状だと思います。
そこで、日別、時間帯別にムリ・ムラ・ムダを教えてくれるようなシフト管理ソフトに対する期待が大きくなっています。更に、シフト管理ソフトの導入により、店舗の「見える化」が進み、広い意味での店舗の業務改善にも繋がるものだと言えます。
店舗で働く従業員は、さまざまな事情や要望を持って働いています。その事情や要望がシフト表に反映されない状況が続くと、不平不満につながり、最終的には辞めてしまうこともあり得ます。
せっかく教育して育てた従業員が退職してしまっては、会社としても大きな損失になります。そこで、従業員の不平不満が起きないようなシフト表を、如何に作成するかが店舗では大きな課題となります。
しかし、人手だけでシフト表を作成している状況では、不平不満の出ないシフト表を作成することは不可能に近いと言えます。そこで、不平不満のでないシフト表を自動で作成できるシフト管理ソフトを導入したいと言うニーズが年々大きくなっています。
最近のシフト管理ソフトの導入状況を見ると、多くのケースでクラウド型のサービスを導入しています。オーエムネットワーク社のユーザー例では、95%以上がクラウド型のサービスを利用しており、オンプレミス型でのソフト導入は僅か5%未満でしかありません。
クラウドサービスの利用が広がっている理由は、総務省|平成30年版情報通信白書|企業におけるクラウドサービスの利用動向を見るとよく分かります。
やはり、コスト面、運用面、ノウハウ面、効率面、利便性などから、シフト管理ソフトもクラウドサービスが利用されている実態が見て取れると思います。
近年、AI(人工知能)はさまざまな分野で利用され始めていますが、シフト管理ソフトの分野でもAIの利用は徐々に進みつつあります。
では、シフト管理ソフトのどの様な分野で利用されているかというと、やはりシフト自動作成での活用が主流になっています。
また、AIと言ってもさまざまな手法がありますが、シフト管理ソフト向けとしては、以下の様な手法が利用されています。
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<①遺伝的アルゴリズム> | <②機械学習> | <③数理最適化> |
①遺伝的アルゴリズム
生物界の進化の仕組みを模倣した最適化のためのアルゴリズムの一つであり、
-選択淘汰(Selection)
-交差(CrossOver)
-突然変異(Mutation)
といった考えでモデル化し、効率的な探索アルゴリズムを与える方法です。
②機械学習
店長がシフト作成する特徴をAIが学習し、次のシフト作成に反映していくやり方です。シフト作成者が手動でどこを訂正したかを学習し、徐々にシフト作成者の意図する方向にシフトを持っていくやり方になります。
③数理最適化
シフト表を作成する際のさまざまな制約条件がある中で、最適化手法を使って、最もムリ・ムラ・ムダのないシフト表を選択するやり方になります。
しかし、AIが全ての課題を解決してくれる万能のツールであるという考え方は、現状ではまだ無理があります。現実のシフト作成においては、AIに対して明示的に指示できない条件がまだ多く存在します。
AIが全てを解決してくれると考えるのではなく、シフト作成は、AIと人間との共同作業であると言う認識が重要だと言えます。
シフト管理ソフトが果たす役割の中で、最も重要なものに、①勤務シフト表の作成機能、および②作業割当表(ワークスケジュール表)の作成機能の2つがあります。これらの機能を提供するソフト、および関連する付随機能を提供するソフトについて以下に説明します。
勤務シフト表の作成機能は、シフト管理ソフトにおいて最も基本となるソフトで、勤務シフト表の自動作成がメイン機能となります。
シフトを自動作成するためには、事前の条件設定が重要になります。オーエムネットワーク社の店舗向けシフト管理システム「アールシフト」では、以下のような4階層での条件設定をしています。
これらの設定条件を基に勤務シフトの自動作成を行いますが、その他、日々の必要MH(マンアワーと言います)が重要な前提条件となります。すなわち、上記で設定された各種条件を満たす中で、日々の必要MHを、ムリ・ムラ・ムダなく満たす勤務シフトが自動的に提示されることになります。
作業割当表の作成機能(ワークスケジューリング)は、店舗で行うべき作業を適切な従業員に自動的に割り当てる機能となります。アウトプットとしては、作業割当表(ワークスケジュール表)となります。
作業割当表を自動作成するためには、事前に作業関連情報の準備が必要になります。
以上が「シフト管理を実践する上でのソフトの役割と機能」となりますが、ソフトの導入と同時に、店舗の業務改善を並行して進めることが重要だと考えています。最終的な経営目標である「労働生産性の向上」にシフト管理ソフトを上手く役立てて頂きたいと願っています。
今回は、シフト管理を実践する上でのソフトの役割と機能について紹介しました。シフト管理においては、クラウド型のソフト利用が近年主流になりつつあります。また、もう一つの流れとして、シフト表の自動作成においてAI技術を活用する流れがあります。AI技術だけで全ての課題が解決される訳ではありませんが、AI活用は今後の主流になっていくことでしょう。
オーエムネットワーク社の店舗向けシフト管理システム「アールシフト」では、当初よりクラウドサービス、およびAI技術の活用を中心にソフトを提供してきました。アールシフトは、これからもソフト機能の充実を図っていきますので、是非ご期待くださいませ。
シフト管理を実践する上でのエクセルのメリットとデメリットを明確にすると同時に、エクセルを効果的に活用する方法もご紹介します。
シフト管理を推進していく上でのアプリの役割と機能を明確することにより、アプリの正しい理解を推進します。
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