コラム
2025.05.01
小売業のシフト管理に活躍!来店客数予測のメリットや重要性を紹介
システム
来店客数予測

目次
1.来店客数予測システムとは

「来店客数予測システム」は、シフト管理システムにおいて、未来の来店客数を予測するために活用される機能です。
このシステムは、特定の時間帯や日付における来店客数の推移を予測することで、店舗運営の効率化を支援します。
来店客数予測システムは、過去のデータや外部要因を基にして、店内の混雑状況や人手の必要性を事前に把握し、最適なシフト作成を可能にします。
来店客数を正確に予測する為には、来店客数に影響を及ぼす要因を特定する必要があります。
要因としては、曜日・天候・気温・イベントなどです。
一般的には、平日よりも土日・祭日の方が来店客数は多くなります。
また、雨の日は外出を控える人が増えて来店客数は少なくなるでしょう。
決算セールやポイント特典などのイベント時には、イベントが無い通常日より来店客数は確実に増えると予測できます。
【関連記事】来店客数予測機能が搭載されたシフト管理システムのメリットとは?シフト作成のコツも紹介
2.客数予測と連動したシフト作成のメリット

来店客数の予測データを活用すれば、シフト作成の質は大きく向上します。
単に人を埋めるだけのシフトではなく、業務の忙しさや客足の流れに応じた“戦略的な配置”が可能になるからです。
以下、客数予測とシフト管理を連動させることで得られる主なメリットを3つの観点から紹介します。
店舗運営の効率化だけでなく、コスト削減やスタッフの満足度にも良い影響をもたらす仕組みについて見ていきましょう。
(1) 忙しい時間帯に人員を最適配置
客数予測と連動することで、混雑が予想される時間帯に必要な人員を的確に配置できます。
というのも、小売業では時間帯によって来店数に大きな差があり、それに応じた柔軟なシフト調整が求められるためです。
例えば、夕方の買い物客が増える時間にレジスタッフを多めに配置することで、長蛇の列を防ぎ、接客の質も維持できます。
ピークタイムを見越した配置が可能になると、顧客対応のスムーズさと店舗全体のサービスレベルが格段に上がるでしょう。
(2) ムダな人件費の削減
来店客数予測は、必要以上の人員配置を避ける手助けにもなるでしょう。
客足の少ない時間帯にも多くのスタッフを配置すると、人件費がかさみ、利益を圧迫します。
一方、天候や曜日によって閑散となる時間帯をあらかじめ予測できれば、最小限の人員で効率よく店舗運営ができます。
需要に応じた配置ができれば、無駄な人件費を抑え、収益性の高い経営につながっていきます。
(3) 従業員の負担軽減と満足度向上
客数に応じたシフト調整は、従業員の業務負担を平準化し、働きやすい環境づくりに貢献します。
忙しい時間に人手が足りない状況が続くと、一部のスタッフに負荷が集中し、モチベーションの低下や離職リスクを招くからです。
たとえば、客数が増える時間帯に応援要員を追加するなどの調整ができれば、スタッフ同士が余裕を持って連携でき、チーム全体の雰囲気も良好になります。
予測に基づいたシフト作成は、業務の効率化だけでなく、従業員満足度の向上にもつながる重要な取り組みです。
3.なぜシフト管理に来店客数予測が重要なのか

来店客数予測システムは、単なるデータ分析ツールではありません。
特に日々の人員配置が売上やサービス品質に直結する小売業においては、シフト管理の精度を大きく左右する存在です。
以下、来店客数の予測が小売業においてなぜ重要なのか、どのようにシフト管理と結びついていくのかを具体的に見ていきましょう
(1) 小売業では客数に大きな変動があるから
来店客数予測は、小売業の売上や人員配置を左右する重要な要素です。
小売店では日々の客数に大きな変動があり、それに応じて適切な商品補充やスタッフ対応が求められます。
週末やセール時に来店者が急増するにもかかわらず、事前の予測ができていなければ、レジの混雑や在庫切れといった機会損失を招きかねません。
正確な客数予測は売上の最大化だけでなく、顧客満足度の向上にも直結するため、小売業において欠かせないものといえます。
(2) 客数に合わせたシフトが組めるから
来店客数予測は、シフト管理を最適化するための基盤となります。
来客の多い時間帯に合わせてスタッフを配置することで、過不足のない労働力確保が実現できるからです。
具体的には、AIを活用して「雨の日の午後は客足が減る」といった傾向を事前に把握すれば、その時間帯の人員を減らして人件費を抑えるといった判断が可能になります。
予測データをもとに柔軟なシフトを組めることで、店舗運営の効率が大幅に向上し、現場のストレス軽減にもつながるのです。
【関連記事】レジ部門のシフト管理のポイントは?不満の出にくいシフトのコツ
【補足】来店客数を予測するシステム開発の裏側
「今日、お客様は何人来るのだろうか?」「ピーク時間帯にお客様は何人くるのだろうか?」を正確に把握していないケースが現場では多く見受けられます。
流通業における売上式は、「売上金額 = 客数 × 客単価」で表わされます。
「客数」が不確実では、売上金額の予測を正確に行うことは不可能です。
売上式は、店舗別、部門別、分類別、単品別でも同じ式が適用できます。
変数である「客数」を精度よく予測することは、さまざまな面で効果的です。
この様な認識から、より客観的で精度の高い「客数」を予測することに取り組んでいます。
「客観性」や「精度」という面から、「客数」に影響を与える複数の変動要因(天気、曜日、イベント、など)を同時に取り扱い可能な「多変量解析」が有効であるという結論に至りました。
さらに、複数ある多変量解析の中から、最も適していると思われる「回帰分析手法」を活用することとしました。
予測された「客数」は、ただそれだけで実務的な意味をなすものではなく、何らかの業務に活用して初めて実務的な意味をなすものであると考えています。
4.来店客数予測システムの応用領域
来店客数を活用できる応用領域を大きく分けると、マネジメント領域’と‘マーチャンダイジング領域’の2つに分けられます。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
(1)マネジメント領域
マネジメント領域では、月間勤務計画や日次作業計画など、事前に行う計画業務が中心です。
固定的に必要となる固定MH(マンアワー:人時)と来店客数の大小で変動する変動MHがあり、その合計が必要MHとなっています。
来店客数を正確に予測することは、必要な人員の確保や作業段取りを正確に行う上での前提条件を意味します。
(2)マーチャンダイジング領域
マーチャンダイジング領域では、必要な商品を必要な時に必要な量だけ調達するための需要予測や発注計画などが中心です。
将来起こり得る状況を判断して、より正確な需要を予測することが求められます。
シフト管理システム「アールシフト」を開発するオーエムネットワークでは、需要予測の式を以下のとおり定義しています。
「需要予測 = 来店客数 ÷ 100 × PI値」(注:PI値=客数100人当りの売上数量)」
(例)PI値=1.5の商品の場合、客数1,000人では(1,000÷100)×1.5=15個
PI値は、販売単価やチラシ広告掲載の有無、気温や湿度などと言った要因で変動します。
販売単価が安ければより多く売れる、気温が高ければ飲料水はより多く売れる、ということは容易に想像ができます。
しかし実際には、商品によって販売単価と販売数量に明確な関係があるものと、必ずしも明確な関係があるとは言えないものがあります。
PI値を正確に予測することは、現実的には非常に困難です。
5.シフト管理システムにおける来店客数予測
小売業・サービス業に選ばれているシフト管理システム「アールシフト」では、予測客数から自動的に作成する「レジ稼働計画システム」に応用しました。
「レジ稼働計画システム」は世の中に数多く存在します。
しかし、統計手法を使って来店客数を予測し、その予測客数から自動的に「レジシフト表」を作成するシステムは、現時点ではあまり存在しません。
気象データとのリアルタイム連動も搭載。
時々刻々変わる気象状況をもとに来店客数を1時間ごとに予測しています。
小売業・サービス業のシフト管理システム「アールシフト」

(1)小売業・サービス業の導入店舗数2万店超
アールシフトは、小売業やサービス業のシフト管理に特化したシステムです。
おかげさまで2020年〜2025年と6年連続で「登録ID数1,000以上の小売業」における導入数No.1(※東京商工リサーチ調べ)となりました。
全国展開しているスーパー、生活雑貨店、レンタルビデオ店、衣料品店、ホームセンター、映画館、空港、コールセンターなど幅広い業種の企業様に選ばれています。
導入企業の事例インタビューはこちら
(2)柔軟にカスタマイズ可能
選ばれる理由の一つが、カスタマイズの柔軟性です。
シフト管理においては企業ごとに設けている独自ルールや細かな要望があるかと思います。
アールシフトなら800を超える標準機能から独自にオーダーメイドが可能です。
「店内レジと屋外レジの違いを考慮して割り当てたい(ホームセンター向け)」
「薬剤師と登録販売者を確実にシフトに入れたい(ドラッグストア向け)」
といった業種特有のシフト管理方法も、標準機能で既に搭載されています。
標準機能だけでは対応しきれない個別カスタマイズにももちろん対応。
お客さまの企業特性を理解した上で、設定のチューニングを行ないます。
(3)シフト管理+人時生産性向上を同時に実現
アールシフトではレイバースケジューリング理論(LSP)や統計分析手法、AI手法などを全面採用。
仕事と人をMH(人時)で把握し、ムリ・ムダ・ムラの最も少ない効率的なシフトを実現しました。
誰が使用してもスピーディに高精度なシフト表が作成できるよう、当社独自の最適化手法を備えています。
(4)直感的に操作できる現場志向のシステム
高精度なシステムでありながら、直感的な操作でシフトが自動作成できるよう、インターフェースにも徹底的にこだわりました。
基本操作はマウスだけでOK。
公休と有休の色分け表示や、白黒印刷したときの見やすさなど、現場の方々が求める機能を実装しています。
システム自体の素早いレスポンスも好評です。
アールシフトでは、シフト管理システム導入を検討中の企業様向け体験利用プランや、メイン機能の使い勝手がわかるデモ動画を用意しています。
シフト管理方法について見直しを考えているご担当者さま、ぜひお気軽にお問い合わせください!