コラム
2025.08.08
シフト管理に役立つ「レイバースケジューリング」とは?システムで作成するメリットも紹介
シフト管理

シフト管理やシフト作成をする店長さんに向けて「レイバースケジューリング」の目的や活用方法を紹介します。
小売業・サービス業の店舗におけるシフトの組み方のコツにつながりますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
1.レイバースケジューリングの基本とシフト管理との関係
近年、多くの店舗やサービス業で注目されているのが「レイバースケジューリング」という考え方です。
単に人手を確保するためのシフト作成ではなく、「どの時間帯に、どの業務に、何人必要か」を緻密に設計するための手法を指します。
現場の負担軽減や人件費の最適化、サービス品質の向上を目指すうえで欠かせない概念といえるでしょう。
レイバースケジューリングの基本的な定義と概念をおさえたうえで、シフト管理との違いや関係性、経営面での影響について整理します。
(1)ワークスケジューリングとの違い
レイバースケジューリングについて知る上で、まずおさえておきたいのが「レイバー(labor)」と「ワーク(work)」の違いです。
どちらも「仕事」「労働」といった意味になりそうですが、明確な違いがあります。
一言でいうと、レイバーは「作業」、ワークは「仕事」です。
レイバースケジューリングは、予め決められた内容を決められた手順に従って行う、どちらかと言うとブルーカラー的な業務を指します。
一方のワークスケジューリングは、ある目的や目標のためにさまざまな業務を工夫しながら行う、ホワイトカラー的な業務を指します。
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(2)レイバースケジューリングの定義
レイバースケジューリングを定義すると、「店舗で働く人の作業を対象とした、生産性を高めるための人員配置の手法」となります。
そのため、レイバースケジューリングを導入するにあたっては「店舗で働く人の気持ちや環境を十分理解する」ことが非常に重要です。
(3) レイバースケジューリングはシフト管理の精度を高める
レイバースケジューリングを活用することで、シフト管理の精度が格段に上がります。
過去の実績や予測データに基づいて、必要な時間に必要な人数を配置できるようになるからです。
例えば、来客数が増える昼食時にはスタッフ数を増やし、アイドルタイムには最小限の人数で運営するなど、無駄のないシフトが実現できます。
シフト管理を「感覚」から「データ重視」へと変えることができるのが、レイバースケジューリングの大きな利点といえるでしょう。
(4) レイバースケジューリングは人件費管理と直結している
人件費の最適化を図る上で、レイバースケジューリングは欠かせない要素です。
なぜなら、売上や業務量に応じたシフトを設計することで、人件費を過不足なくコントロールできるからです。
たとえば、1時間あたりの売上(人時売上高)を目安にスタッフの人数を調整すれば、必要以上の人員を配置せずに済みます。
結果として、利益を圧迫する人件費の増大を防ぎ、経営の安定にもつながるはずです。
2.レイバースケジューリング成功のために

レイバースケジューリングを単なる人員配置の最適化と捉えるだけでは、現場で本当の成果を上げることはできません。
重要なのは、そこで働く「人」の感情やモチベーションに着目し、スタッフにとって快適で働きやすい環境を整えることです。
人は、楽しいと感じるときに最もパフォーマンスを発揮するもの。
だからこそ、スタッフが「楽しい」と思える瞬間を増やし、「嫌だ」と感じる要素を減らすことが、成功の鍵になります。
以下、レイバースケジューリングを導入・運用するうえで意識すべき3つの視点について解説します。
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(1)レイバースケジューリングの前提
レイバー・スケジューリングは、「人は楽しいと感じる時に、一番作業効率が上がる!」ということを大前提として導入する必要があります。
大切なのは、「店舗で働くスタッフが楽しいと感じること」をどう実現し、逆に「嫌だと感じること」をどう避けていくかです。
(2)「人が楽しいと感じること」とは
店舗勤務において、「楽しいと感じること」を具体的に挙げると、
- 「店内の清掃が行き届いていて気持ちが良い」とお客様から褒められた。
- 「商品が綺麗に陳列されている」と店長から褒められた。
- 商品の発注数が上手く当たり、売上に貢献できた。
- 作業が時間内に終わり、気持ちよく定時に退社できた。
- シフトの変更依頼が少なく、自分の予定が立てやすい。
等があります。
お客さまや店長から褒められた経験や、売上への貢献、働きやすい環境などは、スタッフにとって「楽しいと感じること」に当てはまります。
(3)「人が嫌だと感じること」とは
逆に、店舗勤務で「嫌だと感じること」を具体的に挙げると
- やるべき作業が決まってなく、ただ上司の指示で動かされる。
- どこまでやれば終わりなのか、よく分からないまま作業をさせられる。
- 急な残業依頼や出勤依頼で自分の予定が狂ってしまう。
- 一生懸命やってもやらなくても評価が同じだ。
- 自分以外の人が何をやっているのかよく分からない。
等があります。
仕事内容が不明確だったり、評価基準が曖昧だったり、シフトに振り回されたり、といった要素は、スタッフにとってマイナスでしかありません。
人が楽しいと感じることを増やし、嫌だと感じることを減らせる職場にしていくことが成功の鍵です。
3.レイバースケジューリング活用のポイント

レイバースケジューリングを現場で効果的に活用するには、「作業を細かく見える化し、必要な人材を的確に配置する」視点が不可欠です。
単に人を時間で管理するのではなく、どの作業に、どれだけの時間とスキルが必要かを明確にすることで、はじめて戦略的なシフト管理が実現できます。
レイバースケジューリングを実践する上で意識すべき4つのポイントを紹介します。
- やるべき作業の定義を明確にする
- 作業に必要な時間を明確にする
- 作業に必要なスキルを明確にする
- 上記3つをもとにしたマッチング表の作成
以下、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
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(1)やるべき作業の定義を明確にする
店舗運営に必要な作業について、「ここまでは作業A」「これは作業B」と、明確に分けるようにしましょう。
ただし、作業分類を細かく分け過ぎないことが重要です。
日本人は几帳面な人が多いため、全てをきちんと定義しないと気が済まない人が多いです。
これはレイバー・スケジューリングにおいては逆効果。
主要な作業を中心に定義し、その他の作業は主要作業の一部に含めるなどの工夫が必要です。
(2)作業に必要な時間を明確にする
店舗作業には、時間が一定の固定作業と、客数や売上などに比例する変動作業があります。
固定作業については、どのくらい時間が必要か明確にすると、分担しやすくなります。
変動作業については、客数や売上の増減に従って必要時間を厳密に定義することは困難です。
多くの企業で、レイバースケジューリングの計画が頓挫する原因にもなっています。
変動作業については、曜日や売上予算によって作業時間をある程度固定的に決める方が現実的です。
(3)作業に必要なスキルを明確にする
レイバー・スケジューリングの基本は、「作業に人を割り当てる」ことです。
通常「今日は○○さんが出勤だから、〜〜作業をやってもらおう」という割り当て方をしますが、これでは人任せの作業になってしまいます。
そうならないために、「○○作業はどういうスキルを持った人にやってもらうのか」を定義する必要があるのです。
ただし、これもあまり厳密に行うのではなく、最初は大きく3段階(難>普通>簡単)くらいで良いと思います。
(4)上記3つをもとにしたマッチング表の作成
店作業を横軸、従業員を縦軸に取り、各作業を誰が実際に行えるかマトリックス表で定義します。
その際、作業を割り当てる優先順位を考えながら定義しましょう。
◎(最優先で割り当てる人)、○(次に優先する人)、△(最後に割当てる人)の3段階がおすすめです。
4.最適な人員配置をシフト管理システムで行うメリット
緻密に計画されたシフトでも、作成に時間がかかりすぎたり、現場の実情に合わなければ意味がありません。
人件費の高騰や人手不足が課題となる今、効率的かつ柔軟な人員配置は重要なテーマです。
そこで注目されているのが、シフト管理システムを活用したワークスケジュールです。
人員配置の最適化を自動化し、業務の効率化やスタッフの満足度向上にもつなげられる点が、多くの企業から支持を集めています。
シフト管理システムによって人員配置を最適化することで得られる代表的なメリットを紹介します。
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(1) 人件費の無駄を削減できる
シフト管理システムを活用すると、人件費の無駄を抑えることができます。
来店予測や売上データをもとに、必要な時間に必要な人数だけを配置できるからです。
来客が集中する夕方には人員を多めに配置し、閑散時間帯には最小限の体制に絞るといった対応が容易になります。
感覚ではなくデータに基づくシフト編成が、人件費の最適化につながります。
(2) シフト作成のスピードと精度が向上する
シフト作成の業務効率を大きく向上させられるのも、システム導入の大きな利点です。
スタッフの希望や制約条件を一元管理し、自動で反映できる機能が備わっているためです。
希望休や勤務時間の制限を考慮した上で、短時間でバランスの良いシフトを作成できます。
結果として、担当者の作業負担が減るだけでなく、人的ミスも起こりにくくなるでしょう。
(3) スタッフの満足度が高まる
シフト管理システムは、スタッフの働きやすさを実現する手段にもなります。
希望やスキル、勤務可能時間に配慮した公平なシフトが組めるようになるからです。
家庭の事情で勤務時間に制限があるスタッフでも、無理なく働ける時間帯に調整がしやすくなります。
このような柔軟なシフト運用が、職場への不満を減らし、定着率の向上にもつながるはずです。
導入実績No.1のシフト管理システム「アールシフト」

(1)小売業・サービス業の導入店舗数2万店超
アールシフトは、小売業やサービス業のシフト管理に特化したシステムです。
おかげさまで2020年〜2025年と6年連続で「登録ID数1,000以上の小売業」における導入数No.1(※東京商工リサーチ調べ)となりました。
全国展開しているスーパー、生活雑貨店、レンタルビデオ店、衣料品店、ホームセンター、映画館、空港、コールセンターなど幅広い業種の企業様に選ばれています。
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(2)柔軟にカスタマイズ可能
選ばれる理由の一つが、カスタマイズの柔軟性です。
シフト管理においては企業ごとに設けている独自ルールや細かな要望があるかと思います。
アールシフトなら800を超える標準機能から独自にオーダーメイドが可能です。
「店内レジと屋外レジの違いを考慮して割り当てたい(ホームセンター向け)」
「薬剤師と登録販売者を確実にシフトに入れたい(ドラッグストア向け)」
といった業種特有のシフト管理方法も、標準機能で既に搭載されています。
標準機能だけでは対応しきれない個別カスタマイズにももちろん対応。
お客さまの企業特性を理解した上で、設定のチューニングを行ないます。
(3)シフト管理+人時生産性向上を同時に実現
アールシフトではレイバースケジューリング理論(LSP)や統計分析手法、AI手法などを全面採用。
仕事と人をMH(人時)で把握し、ムリ・ムダ・ムラの最も少ない効率的なシフトを実現しました。
誰が使用してもスピーディに高精度なシフト表が作成できるよう、当社独自の最適化手法を備えています。
(4)直感的に操作できる現場志向のシステム
高精度なシステムでありながら、直感的な操作でシフトが自動作成できるよう、インターフェースにも徹底的にこだわりました。
基本操作はマウスだけでOK。
公休と有休の色分け表示や、白黒印刷したときの見やすさなど、現場の方々が求める機能を実装しています。
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