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ワークスケジュールとは、売上予算や客数予測などに基づいて作業の計画をすることであり、従業員には作業割当表(ワークスケジュール表とも呼ぶ)という形で具体的に提示されます。当コラムでは、ワークスケジュールと作業割当表の関係について具体的にお伝えしています。
-目次-
「ワークスケジュール」とは、売上予算や客数予測などに基づいて、店舗で必要となる作業を、いつ・どうゆう人に・どれだけ割当てれば良いかを計画することを言います。
「作業割当表」とは、ワークスケジュールで計画されたものを、具体的に従業員に提示可能な形で表現したものを言います。この作業割当表を利用することで、日々必要となる仕事を確実に実施することができるようになります。また、作業割当表を作成する行為そのものを「ワークスケジューリング」とも呼びます
また、店長や部門長には、売上予算や客数予測と連動した「人件費予算」も同時に考慮した作業割当表を作成することが求められます。 これにより、売上予算の達成だけではなく、人件費予算も考慮した「利益予算」の達成が可能になります。
特に最近では、人手不足や人件費の高騰を受けて、人件費の管理が厳しく問われています。 しかし、サービスレベルの低下は売上の減少に直結しますので、単純に人件費を抑えれば良いと言うものではありません。人件費の抑制とサービスレベルの維持という二律背反する問題を解決する必要があり、その為の有効な手段として、ワークスケジュールの計画や作業割当表の作成が必要であると言えます。
ワークスケジュールは、日々の「やるべき仕事」を効率良く確実に実施するためにあります。 この「やるべき仕事」というのがポイントで、逆を言えば「やるべきではない仕事」はやらないことが重要になります。
管理者から従業員に対して作業指示がなかったり、または適切でなかったりすると、今やらなくても良い仕事をやっていたり、そこまでやらなくても良い所までやっていたりすることが多々あります。
従業員の多くは極めてまじめに仕事に取り組んでいますので、適切な指示が無くても自分で仕事を見つけ、自分なりのやり方で仕事を行います。管理者の人も日中は多忙を極めていますので、なかなか従業員の仕事の内容まで把握できないのが実態ではないでしょうか?
そこで、ワークスケジュールに求められる要件として、以下の点を挙げたいと思います
■事前準備が整っていること
■適切な作業指示書が出せること
しかし、言うのは簡単ですが、ワークスケジュールを進めていくと様々な問題点が浮かび上がってくると思います。 現場だけでは解決できない問題も多く出てくると思います。
そこで重要なことは、ワークスケジュールの取り組みを現場だけに任せるのではなく、全社一丸となってワークスケジュールに取り組むことだと考えています。 この点に留意して、是非実のあるワークスケジュールに取り組んで欲しいと思っています。
作業割当表は、従業員への作業指示がメインとなりますから、
と言うことが事前に明確になっていなければなりません。
従って、
という前工程が必要で、これをベースに日々の具体的な作業割当表を作成します。
ただ、これを人手だけで行おうとすると結構難しく、店舗の管理者への負担が大きくなります。そこで、作業割当表作成の支援システムであるシフト作成システムが必要になってきます。誰が作成しても同じレベルの作業割当表を作成する為にも、シフト作成システムの導入を是非検討したいものです。
では、作業割当表には、従業員別に作業の割当が記載されていれば完成ということになるでしょうか? 残念ながら、従業員と作業の記載だけでは、完成と言う訳にはいきません。
やはり、作業割当表でも、必要MHと投入MH、および過不足MHが時間帯別に算出され、明確に表示されている必要があります。特に、過不足MHが分かることによって、従業員が不足している時間帯を認識でき、事前に何らかの手を打つことが可能になります。
事前に打てる手としては、
などが考えられます。
但し、作業割当表の場合、前日に過不足MHが分かっても対応ができませんから、数日前には作業割当表を作成する必要があります。
作業割当表に求められる機能としては、「①従業員に作業を合理的に割当てられる機能」と「②事前に対策が打てる為の過不足MHの算出機能」の2つになります。
作業割当表は、会社が決めたルールに従って合理的に作業指示を出せる非常に重要なものですので、上記2つの機能を是非実現してもらいたいと思っています。
人件費予算を考慮することが「ワークスケジュール」では重要だと言いましたが、実は人件費予算のままでは「ワークスケジュール」を具体的に進めることができません。 その為、金額ベースの「人件費予算」を人時ベースの「マンアワー予算」に変換する必要があります。
マンアワー予算は、売上予算を人時売上高で割ることで下記の様に求められます。
マンアワー予算(MH) = 売上予算(円) ÷ 人時売上高(円/MH)
例えば、
となり、月間で2,000MHの人時投入が認められることになります。
この月間2,000MH以内に投入MHを抑えることで、結果的に人件費予算内に収めることが可能になります。 人件費予算という金額だけでは、日々の計算が面倒で現実的ではないと言えます。
ただ、注意しなければならない点として、2,000MHに平均時給を掛けても、必ずしも人件費予算にはピッタリ合わないということです。時給単価が異なる人が働いていますので、どうしても誤差は生じてきますがその点は多少大目に見てもよいのではないかと思います。
より大切なことは、マンアワー予算を活用して、日々の作業をムリ・ムラ・ムダなく如何に進めるかということだと考えています。その為に、ワークスケジュールの計画と作業割当表の作成が重要になってくるのです。
当お役立ち情報では、ワークスケジュールや作業割当表について、その定義や基本的な作成方法について述べました。小売業やサービス業の店舗では、口頭による作業指示が大半を占めているのが現状です。しかし、労働生産性を向上させようとするなら、ワークスケジュールの計画は避けて通れないと言えます。ワークスケジュールや作業割当表を介して店舗の生産性を向上させたいと考えている経営者および店舗管理者の方には、是非参考にして頂きたいと思っています。
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