コラム
2023.12.20
ドラッグストア業界におけるシフト管理とは?業務特性に基づいて紹介
シフト管理
業種別

ドラッグストアは登録販売者や薬剤師など、立場によって販売できるものが変わります。
他の小売業とは異なる業務特性のため、シフト管理にも注意が必要です。
この記事では、ドラッグストア業界の特性、シフト管理のコツ、注意点についてまとめました。
ドラッグストアならではの業務特性に準じたシフトの組み方のコツを解説しますのでぜひ参考にしてください。
【関連記事】ドラッグストアのシフト管理のコツ5選!シフト管理システム活用のメリットも紹介
目次
1.ドラッグストア業界の特性

ドラッグストアは、薬剤師が常駐し薬を調剤する調剤室が併設されている「薬局」と、薬剤師の常駐や調剤室がなく医療用薬品の取り扱いができない「薬店」の2つに分けられています。
ドラッグストアも薬局としての許可をもって営業を行っている店舗と、薬店としての許可をもって営業を行っている店舗に分かれています。
(1)登録販売者や薬剤師が必要
ドラッグストアで医薬品を取り扱う場合は、販売登録者もしくは薬剤師がシフトに入っている必要があります。
ただし登録販売者の場合はすべての医薬品を販売できるわけではありません。
「第二類医薬品」と「第三類医薬品」に分類されている医薬品は登録販売者でも販売可能ですが、「第一類医薬品」は薬剤師のみの扱いとなります。
(2)日用品や化粧品など幅広く取り扱っている
日本チェーンドラッグストア協会によると、ドラッグストアとは、「医薬品と化粧品、日用家庭用品、食品等の日用雑貨を取り扱うお店」と定義されています。
「薬しか扱わない」「化粧品しか扱わない」といったお店とは明らかに異なり、生活の身近な存在として日々の暮らしを豊かにしています。
ドラッグストアは取扱商品が多岐にわたります。
在庫管理や品出し、発注業務、POPの作成といった、レジ以外の業務にも人員が必要です。
(3)多店舗展開している企業が多い

ドラッグストアは全国展開やエリア展開している企業が多い業種です。
店舗数が多いため、エリアごとのマネージャーが各店舗のマネジメントを任されるケースが多くあります。
店舗同士でのスタッフの調整、薬剤師の融通なども鍵を握るでしょう。
(4)医薬品販売の法改正でコンビニもライバルになる可能性が高い
2025年、市販薬のコンビニ販売解禁のための法改正が予定されています。
早ければ2026年〜2028年の実施となる見込みです。
今後はドラッグストアの業界内だけでなく、コンビニエンスストアもライバルとなりそうです。
コンビニに顧客を奪われないためにも、従業員の働きやすさやシフトの融通、職場の雰囲気作りに取り組む必要があります。
2.ドラッグストアのシフト管理のコツ

ドラッグストアの運営において、効率的なシフト管理は売上や顧客満足度、スタッフの働きやすさに直結する重要な要素です。
特に、多岐にわたる業務や商品カテゴリ、登録販売者や薬剤師といった専門職の配置には、細やかな配慮が求められます。
ドラッグストア特有の課題に対応したシフト管理のコツを5つに分けて詳しく解説します。
(1)登録販売者・薬剤師の常駐を最優先に考える
調剤薬局を兼ね備えた店舗では薬剤師の常駐が必須です。
そのため、薬剤師が不在となる時間帯が無いような勤務シフト表を確実に作成する必要があります。
登録販売者はどの店舗でも必ず常駐しなければなりません。
登録販売者が不在となる時間帯が無いような勤務シフト表を確実に作成できる機能を持つシフト作成ツールの利用がおすすめです。
また、登録販売者を店舗管理者へステップアップさせるには実務経験(月80時間の勤務経験)を積んでもらうことになるため、実務経験の時間数を考慮したシフト作成も必要になります。
(2)商品の入荷やセール期間に合わせたシフト調整
ドラッグストアでは、商品の入荷やセール期間に合わせて店内の混雑状況が変化します。
特にセール中や季節の変わり目には来客数が増えることが予想されます。
混雑しやすいタイミングに合わせてスタッフを増員したり、スキルの高いスタッフを配置する工夫が必要です。
(3)スタッフのスキルや得意分野を考慮した配置
医薬品や化粧品、日用品など、ドラッグストアにはさまざまなカテゴリーの商品があります。
スタッフの中には、医薬品に詳しい登録販売者や、化粧品の知識が豊富な人など、さまざまです。
得意分野を考慮してシフトを組むことで、お客様対応の質が向上します。
(4)曜日別作業モデルの作成
取り扱う品目数が多いドラッグストアでは、発注や品出しといった作業に多くの時間を費やします。
店舗規模に応じた曜日別作業モデルを事前に作成しておくことで、シフト作成やシフト管理がスムーズになります。
(5)人時生産性等の指標を管理する
チェーン展開している企業では、エリアごとにマネージャーが存在します。
そのため、各マネージャーの配下にある店舗のシフト作成状況をリアルタイムに提供できる状態がベストと言えます。
また、各エリアの人時生産性等の指標を横断的に比較・検討したり、エリア内の各店舗の人時生産性等の指標を横断的に比較・検討するためのMH(マンアワー)管理をおこなうことで、生産性向上、ムリ・ムダ・ムラの削減につながります。
3.ドラッグストアのシフト管理の注意点

シフト管理はドラッグストア運営の中心的な課題の一つです。
特に、登録販売者や薬剤師の配置、繁忙期の対応、スタッフ間のコミュニケーションなど、注意すべきポイントは多岐にわたります。
これらの課題を放置すると、店舗運営に支障をきたし、スタッフの働きやすさや顧客満足度に悪影響を与える可能性があります。
ドラッグストア特有のシフト管理における注意点についてまとめました。
(1) 登録販売者や薬剤師の配置を確実に行う
登録販売者や薬剤師の配置は法律で義務付けられており、これを守ることが店舗運営の基盤です。
登録販売者が不在の場合、医薬品を販売できないため、店舗としての機能が大きく制限されてしまいます。
また、法令違反となれば行政からの指導や処分を受ける可能性があり、信頼の低下にもつながります。例えば、薬剤師が休暇を取る際に代替要員を確保できない場合、調剤業務を止めざるを得ません。
このような事態を防ぐためにも、法令を踏まえた適切なシフト作成が不可欠です。
(2) スタッフの過重労働を避ける
シフトの偏りにより特定のスタッフに負担が集中すると、働きやすさが損なわれ、離職につながります。
業務負荷が偏ると、スタッフのストレスが高まり、接客品質の低下や職場環境の悪化を招く恐れも。
これにより、店舗全体のパフォーマンスが下がることも考えられます。
繁忙時間帯に同じスタッフばかりを配置すると、その人が疲弊しやすくなります。
事前に負荷を均等に分散するシフト作成を心がけることが重要です。
(3) 繁忙期や時間帯を考慮したシフト作成
店舗の繁忙期や時間帯を考慮してシフトを作成することは、効率的な運営の鍵です。
繁忙期に人手が足りないと、接客品質が低下し、顧客満足度の低下につながる恐れがあります。
一方で、閑散期にスタッフを過剰に配置すると、人件費の無駄が生じる可能性があります。
例えば、週末の夕方が最も混雑する店舗では、その時間帯に経験豊富なスタッフを多めに配置し、早朝や夜間には少人数で回す工夫が必要です。
店舗の客足のパターンを把握し、効率よく人員を配置することで、コストを抑えながら運営を最適化しましょう。
(4) スタッフ間のコミュニケーションを重視する
スタッフ間のコミュニケーションを円滑にすることは、シフト調整をスムーズに進めるうえで重要です。
コミュニケーション不足は、シフト希望の共有や調整が遅れ、結果的にトラブルにつながることがあります。
さらに、シフトに関する不満が溜まりやすくなると、職場の雰囲気が悪化する恐れもあります。
例えば、定期的にシフト希望や不満を聞き取る場を設けることで、スタッフの意見を反映した柔軟なシフト作成が可能です。
円滑なコミュニケーションは、スタッフのモチベーション向上にもつながります。
4.ここまでのまとめ

ドラッグストア業界は競合他社との競争が激しく、生き残るためには効率的な店舗運営が欠かせません。
医薬品を取り扱う性格上、薬剤師や登録販売者と言った公的資格を持った従業員が必須であるというところが他の小売業とは大きく異なります。
薬剤師の確保や登録販売者の育成と同時に、効率的な店舗運営のための事前の作業計画や要員計画が極めて重要です。
計画を確実に実施することを的確にフォローできる存在として「シフト管理システム」がカギを握ります。
導入数No.1のシフト管理システム「アールシフト」

(1)小売業・サービス業の導入店舗数2万店超
アールシフトは、小売業やサービス業のシフト管理に特化したシステムです。
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選ばれる理由の一つが、カスタマイズの柔軟性です。
シフト管理においては企業ごとに設けている独自ルールや細かな要望があるかと思います。
アールシフトなら800を超える標準機能から独自にオーダーメイドが可能です。
「店内レジと屋外レジの違いを考慮して割り当てたい(ホームセンター向け)」
「薬剤師と登録販売者を確実にシフトに入れたい(ドラッグストア向け)」
といった業種特有のシフト管理方法も、標準機能で既に搭載されています。
標準機能だけでは対応しきれない個別カスタマイズにももちろん対応。
お客さまの企業特性を理解した上で、設定のチューニングを行ないます。
(3)シフト管理+人時生産性向上を同時に実現
アールシフトではレイバースケジューリング理論(LSP)や統計分析手法、AI手法などを全面採用。仕事と人をMH(人時)で把握し、ムリ・ムダ・ムラの最も少ない効率的なシフトを実現しました。誰が使用してもスピーディに高精度なシフト表が作成できるよう、当社独自の最適化手法を備えています。
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高精度なシステムでありながら、直感的な操作でシフトが自動作成できるよう、インターフェースにも徹底的にこだわりました。
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公休と有休の色分け表示や、白黒印刷したときの見やすさなど、現場の方々が求める機能を実装しています。
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