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2025.09.03

小売業界の「DX」どんなことができる?業務効率化の事例8選+シフト管理DX3選

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業務効率化の事例8選+シフト管理DX3選!

小売業界では近年、デジタル技術を活用した業務改善やサービス変革が急速に進んでいます。
背景には、社会の変化や人手不足といった構造的な課題があり、これらを解決する手段として「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が注目を集めています。
とくに、スーパーマーケットやドラッグストアといった小売業では、膨大な業務を少人数でこなす必要があり、DXによる効率化は喫緊のテーマとなっています。
この記事では、小売業界で実際に導入されているDX事例を「顧客体験の向上」と「現場業務の効率化」に分けて紹介したうえで、特に注目が高まっている「シフト管理DX」についても詳しく解説していきます。

【関連記事】シフト作成・シフト管理をDXで効率化!有名企業の最新DX事例5選

1.なぜ小売業でDXが重要なのか

2020年頃から頻繁に聞かれるようになった「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。
”デジタル化、IT化によってビジネスや生活に変革をもたらす取り組み”を指す言葉です。
小売業においても、顧客とのやりとりや、少人数のスタッフでの現場運営など、さまざまな場面でDXの活用が見られるようになりました。
なぜ小売業でDXが重要なのか、理由は大きく2つあります。

(1)コロナ禍による社会の変化

小売業とコロナ禍

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、リモートワークやオンライン会議など、三密(密集・密接・密閉)を避けるための仕組みが急速に発展しました。
消費行動もオフライン(店頭)からオンラインへと移行し、ECサイトやWebでの情報発信が重視される時代になりつつあります。
小売業のターゲットは最終消費者のため、社会の変化に最も影響を受けやすい業種です。
時代の急速な変化にスピーディに対応し、消費者に利便性の高いサービスを提供していくことが不可欠と言えます。

(2)慢性的な人手不足

小売業の人手不足

特に小売業は、以前から慢性的な人手不足に悩まされている業界でもあります。
少子高齢化が進む日本において、労働人口の減少は大きな課題であり、「人手不足を人手で補う」のでは根本的な解決には至りません。
DXによって現場の生産性向上や人材コスト削減を目指す必要があります。

【関連記事】業務効率化に!小売業・飲食サービス業向けお役立ちサイト9選

【参考】小売業のDXにおすすめの書籍3選

小売業において生産性向上は大きな課題です。店舗の「ムリ・ムラ・ムダ」が明確にし、削減していくための考え方や、実際にどう取り組んでいくかについて理解する上でおすすめの書籍を2冊紹介します。

最強のシステム~店舗運営のムリ・ムラ・ムダをなくす(大野勝/プレジデント社)

小売業・サービス業のオーナーや、店舗運営マネージャーが知るべき業務改善の新発想と、それを可能とする最新シフト管理システムの導入術を解説した一冊。
店舗の業務改善を成功へ導くための考え方がわかります。

SYSTEM&METHOD――AIとDXが、小売・サービス業を劇的に変える(大野勝/プレジデント社)

『最強のシステム~店舗運営のムリ・ムラ・ムダをなくす』の内容をより具体化し「実際にどうすればいいか」をまとめた一冊です。
小売業においてDXを進めるためのシステム運用やフォロー体制について、実践レベルまで掘り下げて解説しています。

失敗しない業務改革DX 図解で素早くポイントを把握!(大野勝/プレジデント社)

小売業・サービス業の業務効率化に欠かせない「シフト管理システム」について、期待される効果、推進するための社内体制の作り方、ツールの選定方法に至るまで、必要な情報のすべてを図解でまとめました。
コストの大幅な削減、驚くほどの労働生産性向上に繋がる強力な一手を、わかりやすく提示しています。

2.小売業のDX活用例〜顧客の店舗体験編〜

小売業のEC注文

小売業界におけるDXは、店顧客の買い物体験に大きな変化をもたらしています。
消費者のニーズが多様化し、非接触・時短・利便性といった要素が求められる中で、デジタル技術を活用した新たなサービスが次々に登場。
顧客満足度の向上だけでなく、来店促進やリピーターの獲得にもつながっています。

  • オンライン注文と店舗受け取り(BOPIS)
  • オンライン接客
  • 混雑状況の見える化
  • デジタルサイネージによるプロモーション最適化

以下、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

(1)オンライン注文と店舗受け取り(BOPIS)

大手企業を中心に、ECサイトで買い物をして、実店舗で受け取りできるサービスが広がっています。
このシステムは「BOPIS(ボピス-Buy Online, Pickup In Store)」と呼ばれ、アメリカのウォルマートから始まりました。
顧客は欲しい物を探すために店内を歩き回ったり、支払いのためにレジで順番待ちをしたりせず、受け取り以外を全てオンラインで完結できます。
送料がかからないことや宅配までのラグが生じない点もBOPISのメリットと言えます。

(2)オンライン接客

自宅にいながら、店舗のようなリアルな接客・購買体験を実現できるのがオンライン接客です。
店舗スタッフと顧客がビデオ通話でやりとりし、商品選びやコーディネートの提案などを受けることができます。
時間や場所の制約がないため、地方の店舗が首都圏の顧客に接客をおこなうことも可能です。

(3)混雑状況の見える化

新型コロナの感染予防策としても注目されているのが、店内の混雑状況の見える化です。
「混雑を避けて買い物したい」「空いているエリアを回りたい」といったニーズに答えるため、AIカメラ等を活用した方法が取られています。
AIカメラで収集したデータをスマホアプリや店内サイネージなどで配信。
顧客はリアルタイムで混雑情報を把握できます。

(4)デジタルサイネージによるプロモーション最適化

ドラッグストアやスーパーの店頭にデジタルサイネージを設置。
天候・時間帯・来店属性に応じて表示内容を自動で切り替える仕組みも増えています。
来店客へのパーソナライズされた販促が可能になり、広告効果が向上したという結果が出ています。

3.小売業のDX活用例〜現場業務の効率化編〜

3.小売業のDX活用例〜現場業務の効率化編〜

小売業界のDX導入は、現場業務の効率化に大きな変化をもたらしています。
日々の業務が煩雑で人手に依存していた分野において、デジタル技術の活用によって作業時間の短縮、人的ミスの削減、コストの最適化といった成果が見られるようになりました。
実際に多くの店舗で取り入れられているDX活用の事例を紹介し、その効果についてまとめました。

  • 在庫管理・発注業務の自動化
  • 無人レジ・スマートストア
  • 電子棚札システム
  • シフト作成・シフト管理の自動化

以下、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

(1)在庫管理・発注業務の自動化

店舗運営に欠かせない在庫管理や発注業務にもDXは役立ちます。
例えば、映像解析や重量センサーなどの技術を活用し、在庫管理を行なう方法なら、あらかじめ設定した残数を下回ると担当者に通知が届き、発注漏れを防ぐことができます。
過去の販売実績、カレンダー、気象情報などの各種データに基づき、商品の発注数を自動で算出するシステムなども導入が進んでいます。

(2)無人レジ・スマートストア

スーパーやコンビニ、書店などでは、自分で会計を行なうセルフレジが増え、レジ業務に投入するスタッフ数の削減に繋がっています。
さらに進んだ取り組みとして「スマートストア」と呼ばれる技術も注目されています。
スマートストアは、店内の専用タブレット端末で顧客が商品をスキャンしながら買い物をし、最後は会計ボタンを押してレーンを通れば支払いが完了。
レジにスタッフを置く必要がありません。
店内の至るところにAIカメラを設置し、人の流れや商品棚の欠品情報をデータ化。
売場づくりや補充業務にも役立っています。

(3)電子棚札システム

電子棚札(デジタルプライスカード)を導入することで、価格変更業務が大幅に効率化。
紙のラベルを差し替える手作業が不要となり、スピーディーかつ正確な価格表示が可能になります。
特にスーパーマーケットやドラッグストアのように、日々価格が変動する商品を多く扱う業態では、価格ミスや反映遅れが顧客満足度を下げる要因にもなりがちです。
電子棚札であれば、POSや本部システムと連携して一括更新ができ、現場スタッフの負担軽減とミス削減につながります。

(4)シフト作成・シフト管理の自動化

店舗業務の中でも特に店長の負担となっているのが、シフト作成・シフト管理業務ではないでしょうか。
シフト管理システムを活用することで、シフト希望の提出からシフト作成、シフト管理までスムーズに行なうことができ、店長やスタッフの負担を軽減させることができます。
シフトのルールや条件を予め設定すれば1クリックで自動作成できるようなシステムや、現場のムリ・ムダ・ムラを徹底的に洗い出し経営強化や生産性向上に役立つシステムもおすすめです。

【関連記事】シフトマネジメントとは?不満の少ないシフトを作る4つのコツ!

3. シフト管理に関連する小売業のDX事例

小売業のシフト作成

近年、業務効率化や人材マネジメントの分野にも大きな変化が見られるようになりました。
特にシフト作成や人員配置といった現場の負担が大きい業務において、AIやクラウド型システムを活用したDXが注目されています。
こうした取り組みは、現場の作業を軽減するだけでなく、全体のパフォーマンス向上にも寄与しています。
実際に行われている小売業におけるシフト管理関連のDX事例を紹介します。

  • AIによる自動シフト作成の導入
  • クラウド型シフト管理システムの全店舗展開
  • 本部と店舗間のシフト情報連携の自動化

以下、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

【関連記事】シフト管理を効率化する方法とは?本部と店舗でやるべきことを解説

(1) AIによる自動シフト作成の導入

AIを活用した自動シフト作成の仕組みは、近年注目されるDX事例のひとつです。
業務負担の軽減とともに、人員配置の最適化が実現できる点が評価されています。
従来のシフト作成業務は、特定の時間帯や曜日に人が不足したり、メンバーの偏りが発生しやすい傾向にありました。

スタッフの希望やスキルに配慮しきれないケースも多く存在したのではないでしょうか。
AIを活用することで、売上データや客数予測、業務の繁閑に応じた最適な配置が自動的に提案されるように。
一人ひとりのスキルや希望シフトも考慮でき、人手不足の解消や業務効率の改善だけでなく、スタッフ満足度の向上にも役立っています。

(2) クラウド型シフト管理システムの全店舗展開

クラウド型シフト管理システムの導入は、多くの企業で採用が進んでいます。
とくに店舗数の多いチェーンにおいては、統一されたシステム環境が業務効率を格段に高めています。

これまで多くの店舗では、紙やエクセルでシフトを管理しており、シフト提出の手間や情報共有の煩雑さが課題となっていました。
急な欠勤対応や変更連絡が遅れ、店舗運営に影響を及ぼすことも少なくありませんでした。

クラウド型システムを導入することで、スタッフはスマートフォンから手軽にシフト希望や休み申請を送信できるように。
店長側もリアルタイムでの確認・調整が可能となりました。
本部からもシフト状況が即座に把握できるため、繁忙期の要員支援や人件費の配分管理といった経営判断にも役立っています。
現場と本部の連携が強化される点でも、導入効果は大きいといえるでしょう。

(3) 本部と店舗間のシフト情報連携の自動化

シフト情報の店舗間・本部間の連携を自動化する取り組みも、小売業におけるDXの好例です。
人手不足や多店舗展開による管理の複雑化に悩む企業では、全体最適を見据えた情報共有が重要となっています。
従来は、各店舗が個別にシフト管理を行い、手動で情報を集計していたため、入力ミスが発生しやすい状況にありました。

店舗ごとの業務負荷の違いが可視化されておらず、適切な人員再配置が難しい状態でした。
一元管理型のシフト管理システムを導入すれば、本部が各店舗のシフト状況をリアルタイムで把握できるようになります。
店舗ごとの負担軽減が実現し、全社的な労働力の有効活用にもつながっています。
管理職の判断力やスピードも高まり、働きやすさと生産性の両立が可能です。

導入実績No.1のシフト管理システム「アールシフト」

(1)小売業・サービス業の導入店舗数2万店超

アールシフトは、小売業やサービス業のシフト管理に特化したシステムです。
おかげさまで2020年〜2025年と6年連続で「登録ID数1,000以上の小売業」における導入数No.1(※東京商工リサーチ調べ)となりました。
全国展開しているスーパー、生活雑貨店、レンタルビデオ店、衣料品店、ホームセンター、映画館、空港、コールセンターなど幅広い業種の企業様に選ばれています。
導入企業の事例インタビューはこちら

(2)柔軟にカスタマイズ可能

選ばれる理由の一つが、カスタマイズの柔軟性です。
シフト管理においては企業ごとに設けている独自ルールや細かな要望があるかと思います。
アールシフトなら800を超える標準機能から独自にオーダーメイドが可能です。
「店内レジと屋外レジの違いを考慮して割り当てたい(ホームセンター向け)」
「薬剤師と登録販売者を確実にシフトに入れたい(ドラッグストア向け)」
といった業種特有のシフト管理方法も、標準機能で既に搭載されています。

標準機能だけでは対応しきれない個別カスタマイズにももちろん対応。
お客さまの企業特性を理解した上で、設定のチューニングを行ないます。

(3)シフト管理+人時生産性向上を同時に実現

アールシフトではレイバースケジューリング理論(LSP)や統計分析手法、AI手法などを全面採用。
仕事と人をMH(人時)で把握し、ムリ・ムダ・ムラの最も少ない効率的なシフトを実現しました。
誰が使用してもスピーディに高精度なシフト表が作成できるよう、当社独自の最適化手法を備えています。

(4)直感的に操作できる現場志向のシステム

高精度なシステムでありながら、直感的な操作でシフトが自動作成できるよう、インターフェースにも徹底的にこだわりました。
基本操作はマウスだけでOK。
公休と有休の色分け表示や、白黒印刷したときの見やすさなど、現場の方々が求める機能を実装しています。
システム自体の素早いレスポンスも好評です。

アールシフトでは、シフト管理システム導入を検討中の企業様向け体験利用プランや、メイン機能の使い勝手がわかるデモ動画を用意しています。
シフト管理方法について見直しを考えているご担当者さま、ぜひお気軽にお問い合わせください!

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