労働時間とは?

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労働時間とは?

会社に勤めていると、「勤務時間」、「労働時間」という言葉を聞くことがあると思います。二つの言葉の意味は異なるのでしょうか。 また、人事担当者や給与計算をする方ですと、さらに「所定労働時間」や「法定労働時間」の違いを理解して仕事をしなければならないことがあるかと思います。 これらの言葉の違いを確認してみましょう。

勤務時間とは

一般的に、勤務時間は、始業時刻から終業時刻までの時間を言います。就業時間という場合もあります。

(例)始業:9時00分 終業:17時30分 の場合

⇒勤務時間(就業時間)は8時間30分

労働時間とは

勤務時間(就業時間)から休憩時間を除いた時間を言います。

(例)始業:9時00分 終業:17時30分 休憩:1時間 の場合

⇒労働時間は7時間30分となります。

次に、所定労働時間と法定労働時間の違いを確認しましょう。

所定労働時間とは

労働時間の前に「所定」がつくと、少し専門的な言葉に聞こえますね。
所定労働時間とは、「会社が定める」労働時間をいい、就業規則や労働契約書等に記載のある始業時刻から終業時刻まで(休憩時間を除く)の時間のことを言います。 あらかじめ、働かせること、働くことを約束した時間になります。

(例)所定労働日:毎週 月~金、始業:9時00分 終業:17時30分、休憩:1時間 の場合

⇒上記のように労働契約書に記載がある場合の1日の所定労働時間は7時間30分、1週間の所定労働時間は、37時間30分となります。

ここで今回の最大のポイントです。
会社が所定労働時間を定めるとき、労働基準法で定められた労働時間の限度(法定労働時間)内で設定する必要があります。 労働者の合意がある場合であっても、法定労働時間を超えた時間で定めることはできません。

  • 所定労働時間 < 法定労働時間  ○
  • 所定労働時間 = 法定労働時間  ○
  • 所定労働時間 > 法定労働時間  ×

では、法定労働時間を詳しくみてみましょう。

法定労働時間とは

今度は労働時間の前に「法定」という言葉がついています。
「法定」の「法」は労働基準法を指していて、法定労働時間とは労働基準法で定められている労働時間の限度をいい、 原則1日8時間、1週40時間(特例対象事業場を除く)となります。今後のコラムで取り上げる予定ですが、 この法定労働時間を超えて働かせる場合は、労使協定(36協定)が必要になります。

所定労働時間は法定労働時間の限度内で定めることになっていますが、 どういう場合が法律違反となってしまうのか、具体例を見てみましょう。

(例1)所定労働日:月~金、始業:9時00分 終業:19時00分、休憩:1時間 の場合

⇒1日の所定労働時間 9時間、1週間の所定労働時間 45時間(変形労働時間制が適用されている場合を除く)

労基違反の例1



(例2)所定労働日:月、水、金、始業:9時00分 終業21時00分、休憩:1時間 の場合

⇒1日の所定労働時間 11時間、1週間の所定労働時間 33時間(変形労働時間制が適用されている場合を除く)

労基違反の例2



例2においては、週の所定労働時間は40時間以下となっていますので、法違反ではないようですが、 ×がついています。どうしてでしょうか。所定労働時間は、1日、1週ぞれぞれ法定労働時間内で定める必要があるからです。(変形労働時間制が適用されている場合を除く)
今回のコラムでは、労働時間とは?ということで、主に法定労働時間と所定労働時間の違いについてお伝えしました。
所定労働時間と法定労働時間を正しく理解すると、気付かないうちに労働基準法違反となってしまうことや残業代の計算ミスを防ぎ、 また今後のコラムでお伝えする予定の36協定についても、正しく運用することができます。

適正な労務管理を行うことは、労使トラブルを防ぎ、社員ひとりひとりがその能力を最大限に発揮する環境を整えることにつながるなど、 とても大切なことです。今後もこのコラムで一つ一つ労務管理の基本の「き」を押さえていきましょう。

社会保険労務士 ヒロイ事務所
廣井 加奈子